さくらしめじ「いくじなし」(5)隠された変化の謎

序章

それは昨年年末の12月29日、光が丘IMAホールで行われた「きのこりあんの集いvol.2」のあと、きのこりあんさんたちと打ち上げに行ったときのことでした。ご一緒していた、ごろうさんという方とこんな会話がありました。


(ご:ごろうさん あ:あかんぼ(僕))

ご「いくじなしのコード変わってませんでした?」
あ「えっ、わからなかった。変わってなかったと思うけどな。」
ご「でも、カポ1になってましたよ。これまではカポなしだったはず。」
あ「いや、でも僕の耳が確かなら、コードもキーも変わってなかったと思うな。 」

注1:カポとは
カポタストのことで、ギターのフレットにはさむコレ↓です。カポを一つずらす毎に半音ずつ上がっていきます。

さて、どういうことでしょうか?ホテルに戻った後、ごろうさんからDMがきました。以下は要約です。

ご「過去の音源を聴くと、やっぱりキーはC#でしたので、今日の演奏はカポ1のCということになります。でもこれまでのライブではカポなしのDだったはず。今日はなぜカポ1だったのか?

たしかに、これまでブログでも取り上げていますように、「いくじなし」のキーは一度も変わっていません。(→ブログ記事「「いくじなし」(4)楽曲の変遷」など)

その後もごろうさんとDMでやりとりをするなかで、大変面白いことが分かってきたので、今回記事にすることになりました。ごろうさん、ありがとうございました!

では順を追ってお話ししていきます。

菌育埼玉での“隠された変化”

さて、まず僕も過去の映像を確認しました。そうするとDMでのやりとりを裏付ける、驚くべき事が確認されました。これは「いくじなし」のAメロ「ドキドキ」の瞬間の写真です。

▽ストリートライブvol.5(2014.9.14)

▽おたまじゃくしの宴(2016.10.9)

か、かわいい・・・おっと、見るのはそこではなくて、赤い○のところです。これを見ると確かにカポなしで、Dを弾いています。ところが、です。

▽菌育埼玉(2017.7.8)

か、かわいい・・・3年経ってるにこんなにかわいいとは・・・いやそこではなくて赤い○のところです。これを見るとなんと、カポ1となり、Cを弾いているではないですか!弾いているコード(押さえているコード)が変わっているのです!

注2:コード名とキー
この「ドキドキ」のところのコードは数字で表せばI(トニック)にあたりますので、コード名がそのままキーを表すと考えてもらっていいです。つまり「ドキドキ」がコードDなら曲のキーはD、コードCなら曲のキーもCということです。カポ1でコードCを弾いているということは鳴っているコードはC#、キーはC#ということになります。

約6ヶ月ぶりに演奏した菌育埼玉の時点で、弾くコードが変わっていたということです。

ここで少し「いくじなし」休止期間について振り返りますと、2016年12月29日の「きのこりあんの集い」から、2017年7月8日の菌育埼玉まで約6ヶ月、「いくじなし」は演奏されませんでした。これは彪我くんの変声期のためだと考えられますが、その「いくじなし休暇」は、コードを覚えなおして練習しなおすためでもあった、もしくはやらない期間を利用してコードを変更した、ということになるのではないでしょうか?

残された謎

さて、ここでちょっと待てよ、と思われると思います。キーは変わってないんじゃなかったの?と。そうです。弾くコードは変わりましたが、聞こえてくるキーは一貫してC#なのです。いままで一度もキーが変わっていないことはこれまでブログにも書いていました。したがって、音は変わっていないが、弾くコードは変わったということになります。なので我々は聴いているだけでは変化は分かりませんでした。そこで、ちょっと大袈裟ですけど「隠された変化」といったわけです。別に隠してないですけどね(笑)

え、どういうこと?ってなりますよね。そこで謎は2つです。

【謎1】なぜDで弾いていたのに、聞こえてくるのはC#だったのか?
普通はカポなしでDを弾けば、そのままDが聞こえてくるはずです。しかし聞こえてくるのはC#だった。それはなぜなのか、ということです。

【謎2】なぜ菌育埼玉から、カポ1のCに変えたのか?
カポ1でCを弾けば半音上がりますから、C#です。同じC#なのになぜコードを変えてまでカポ1にしたのか?

この謎について考えていきたいと思います。

 

【謎1】なぜDで弾いていたのに、聞こえてくるのはC#だったのか?

一つめのこの謎については、こう考えるしかないでしょう。

いままで「半音下げチューニング」をしていた。そうとしか考えられません。Dを弾いて音をC#にするためには、チューニングを半音下げるしかありません。いままで「いくじなし」を弾くときは(もしくは常に)、半音下げチューニングだったことになります。では他の曲はどうするのか?半音上げるためにはカポを+1ずらせばよいので、問題はありません(ギターをしている人なら、ひょっとしてすでにお気づきでした?)

それならば、今度はこんな疑問が起こります。

 

【謎1’】なぜ半音下げチューニングだったか?

C#キーがいいなら、最初からカポ1のCにすればよかったのではないか、と思いますよね。その理由についてごろうさんと僕のDMのやりとりと、後に考えたことをまとめてみます。

[ごろう説]愛のムチ説
ギターが弾けるごろうさんによりますと、人にもよるが、ごろうさん的にはカポ1でCの方が弾きやすく、カポなしDの方がちょっと弾きにくいとのこと。むしろ難しい方にして練習させようとした、という説です。

それに対して僕の説はこうです。

[あかんぼ説1]デモテープのキーDで練習していた説
実はこの曲、デモテープの段階ではキーがDだったのです(そのことは先ほども挙げましたブログ記事「「いくじなし」(4)楽曲の変遷」に記載しています)。ですので、最初に曲をもらったときから、Dで練習してしまっていたのではないか。しかし、後にもう少しキーを下げたいということになった。そこでキーを半音下げるために半音下げチューニングになった、という説です。

[あかんぼ説2]半音下げチューニングの方が弾きやすい説
最初から半音下げチューニング前提だった、という説です。これも僕はギターが弾けないので分からないのですが、ものの本を見ると、初心者は半音下げチューニングにした方が、弦が緩んで弾きやすくなるというのを読んだことがあります(その他半音下げチューニングにはいろいろメリットがあるそうです)。そのため、当時初心者であったさくらしめじ(当時はまだガク&ヒョウガ)に弾きやすいように、最初から半音下げチューニング前提でキーが設定されていた。

などが考えられます。いかがでしょうか?他の説があったら教えてください。

では次の謎です。

 

【謎2】なぜ菌育埼玉から、カポ1のCに変えたのか?

これについて二つの仮説を提唱したいと思います。

[仮説1]普通チューニングに戻したい。
これは半音下げチューニングのデメリットがそのまま理由になるのではないかと思います。

まずは音色の問題ですね。半音下げだと低音に強い反面、音の力が弱くなるとか、高音に弱くなるらしいです。また、生ピアノとの相性、ということもあるようです。キーボードならトランスポーズできますが、生ピアノだと、例えばギターならキーDで弾きやすいのに、ピアノはC#という弾きにくいキーで弾かないといけなくなります(プロならあんまり関係ない?)。

そんなこんなで、普通チューニングに戻そう、ということになったのではないでしょうか?そしていくじなしを歌わない期間を利用して練習した。ギターの上達した二人には、もうコードの変更などすぐに対応できるようになってきたとも言えるかもしれません。

[仮説2]「いくじなし」のキーを下げる布石
これまで「いくじなし」はかたくなにキーを下げませんでした。これはさくらしめじの歴史を刻む曲だから、とか、がんばって歌うことで成長させるためだ、とかいろいろ考えてきました。しかし単純に「下げられなかった」ということかもしれません。

だって、カポなしで半音下げチューニングですからね。これ以上カポでキーを下げることはできません。さらに下げようと思えば全音下げチューニングにするなど、チューニングで変更するか、コードを変えるしかなかった。まあ、それでもできなくはないですが、そこまではしなかったんでしょうね。コード変えるなら練習期間もいりますし。

しかし今回キーCのコードに変わり、カポ1で半音上げてC#にしています。ということはカポを外せば半音下げられることになったのです。

これは「いくじなし」のキーを下げる布石と考えることもできるのではないでしょうか?そのうち「いくじなし」のキーが半音下がったら、この説が当たりということになります。

 

いかがだったでしょうか?ぜんぜん見当違いだったらごめんなさい。

どういう理由でこのような変化が起こっているのか。さくらしめじの二人や、スタッフさんの間でどんなやりとりがあったのか。どんな練習をしてきたのか。カポの位置ひとつから、そんなことに思いを馳せるのも楽しいですね・・・

え、僕だけ?(笑)

 

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2 件のコメント

  • (´・ω・`)?
    あかんぼさん、楽しそうですね。(●´艸`)ムフフ 活き活きしてる。
    ステージ以外のところでいろいろなやりとりがある。
    ということがわかりました。
    ありがとうございました。
    音楽家はつらいよ。
    聴いているだけの人間はボヤーッと聴いているんですけどね。

    • これはかなりややこしい話でした。マニアックに楽しんでしまってすみません。
      まあ、文章にすればややこしいんですけど、僕も聴いているときはぼーっと聴いてます。
      あとから、あのときのあれはひょっとして、とかあれこれ考えを巡らせますけどね。

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