さくらしめじ「いくじなし」(4)楽曲の変遷—中学生しめじ3年間の〆に。

さくらしめじの髙田彪我くん、田中雅功くんの二人は中学校を卒業し、いよいよ4月から高校生になりますね。

ほんとうに中学生の成長というのはすごいもので、ついこの間まで、二人ともあんなにちっちゃかったのにね。彪我くんなんか、あるときはやんちゃな少年だったり、あるときは美少女だったりしたのに。声も高くて女の子みたいだったのに、こんなに変わるとはね。まあ、今もかわいいんですけど。

もちろんさくらしめじの純朴さというか、無邪気さというか、殺伐とした世の中で見失いがちな「人間が人間らしくあること」みたいな部分を大事にして示してくれているというか、変わっていないよさはそのままです。二人の関係性が深まっていく様子も見ていて心が温まりますよね。

長く歌い続けてきたなかで、やはり中学生、声の変化にもだいぶ戸惑ったことと思います。しかし、それに真摯に向き合う姿勢は、見ていてよくわかりますよね。

雅功くんはそれをみごとに乗り越え、自分の世界を作りつつあります。それを特に感じられたのは、先日のリリースイベントで彪我くんが体調を崩してお休みしたため、急遽誕生した「田中雅功ソロライブ」です。表現力の豊かさ、一人でライブを作り上げる歌の力、感じましたね。これは彪我くんも、負けてられないですよ。

彪我くんは声が大きく変化してから間もないことや、高いパートを歌わないといけないこともあってか、まだまだ探りながらではありますが、持ち前のセンスと、天然っぽく見えながら意外と細部にもこだわる性格で(きみ彪我の何を知ってんねん、とつっこまれそうですが)乗り越えようとしています。ボーイソプラノを失った今、どのようにすれば魅力的な歌を届けられるのか、優しい歌声を持ち味として、新たなフィールドを模索しています。

その中で、やはりこの曲「いくじなし」がその声の変化の歴史を刻む曲となりました。初めて取り組んだオリジナル曲であり、中学生を通して歌い続けた曲でもあります。

そこで、高校生になるまえに、この曲の変遷をまとめておきたい!という思いに駆られまして、今回の記事となりました。現在聴けるあらゆる音源を聴きまくって、パートの変遷をまとめてみました。それが下の表です。(ver.0については、とある方より情報をいただきました。ありがとうございました。)

[◎:主旋律 △:上ハモり ▽:下ハモり K:菌活 S:ストリートライブ]

では始めていきたいと思います。

「いくじなし」ver.0 (初公開)

まず、この曲が初めて二人に知らされたのは、TOKYO MX「EBiDAN」番組内(2014年8月19日放送)でのことでした。まだ「さくらしめじ」の名前はなく「雅功&彪我」としてユニットが決まったばかりの頃です。このときの二人の表情がこちら。

はじめての自分たちの曲だ!という喜びと、できるのかな?という不安の入り交じった表情のようにも見えます。

このときに流れた曲はワンコーラスだけで、歌詞も今のものとは違い、このようになっていました(下図)。やはりまだ未完成という感じで、正式版のほうが洗練されていますね。キーも後に歌われるC#メジャーではなく、半音高いDメジャーでした。

「いくじなし」ver.1(2014/8/3初披露〜2015/8/5菌活新潟頃)

2014/8/3(日)初のストリートライブで「いくじなし」が初披露されました。このときはワンコーラスだけでした。

 

その頃の様子は、いまもポールさんが書いたブログで知ることができます。

http://ameblo.jp/ebidan/archive10-201408.html#main

 

一部抜粋します。

・・・
2人の初ストリートライブはいかがでしたでしょうか?

雅功は緊張が一周まわってハイになってしまってたようで、夢のなかのようでフワフワしてたそうです(笑)

MCでみなさんといろいろと話せて喜んでおりました。

ちなみに彼の事前調査では「埼玉」=「十万石まんじゅう」だったらしいです。

(中略)

彪我も緊張したらしいですが、熱中症のうたを皆さんに披露出来て喜んでました。(あっ、あれ実は即興です。次回は何をテーマで歌うんでしょうか。。)

あと、新曲「いくじなし」のイントロの見せ場のアルペジオが、思わぬセミの乱入でしっかり聴いてもらえなくて凹んでいたので、次週はみなさん、全神経を彼の全てに注いであげてください。
・・・

初々しいですね。動画も少し見られます。

アルペジオもたどたどしいです。それが今は上手くなりましたよね。そして今も進化を続けています。

さて、この初披露、そしてCD音源収録、2014年11月24日の星男祭2014— 「さくらしめじ」のユニット名が決定し、1stシングル「いくじなし/きのうのゆめ」発売が発表され、あの彪我くんが涙した星男祭2014ですね—を経て、2015年7月31日に開始する菌活にいたるまで、ほぼ同じパート編成で歌い続けられます。これをver.1とします。

ところが、ここで試練が訪れます。雅功くんの声変わりです。まえにも少し考察しましたが(「さくらしめじ」の楽曲における音域の変遷についての研究)、例えば2014年11月に「きのうのゆめ」を歌っている動画からもわかるように、雅功くんのの音程がやや不安定になり始めており、このころから徐々に変声が始まったと思われます。

そしてとうとう、この時がきます。

 

「いくじなし」ver.2 (2015/8/10菌活岐阜[ver2.0]〜2015年9月27日星男祭2015[ver.2.1]〜2015/11/14大宮ストリートライブ[ver.2.2] )

 

 

2015年8月5日菌活新潟まではver.1のパート編成でしたが、同年8月10日菌活岐阜でとうとう変化がおとずれます。それはBメロ「もじもじしている時間はないよ」のパートです。もともと雅功くんパートだったのが、菌活岐阜で初めて、彪我くんパートに変わったのです。 「菌活大陸」映像で、8月10日菌活岐阜、8月12日菌活石川、8月14日菌活富山で演奏された「いくじなし」を聴くことができますが、いずれも彪我くんパートとなっていますね。

ちなみに彪我くん、パートが変わったので、しばらくここの「もじもじ〜」の歌い出しを入り損ねています。「あ、ぼくに変わったんだった」って感じで慌ててマイクに戻るの、かわいいですね。「菌活大陸」で確かめてみてください。

そして、「大好きな君はこのドアの向こう」も雅功くんパートから彪我くんパートにかわり、そのあとの「夢の中ではね」はユニゾンだったのが、彪我くんソロになっています。

このようにいくつかの雅功くんの高音パートが、彪我くんに変わったのです。これをver.2.0とします。ここに、雅功くんの変声期を表す変化を見ることができます。

ですので、全くの想像ですが、このようなやりとりが予想されます。

<2015年8月5日菌活新潟>(ver.1)
雅功「もじもじしてる時間はないよ」

・・・
雅功「大好きな君はこのドアの向こう」
雅功・彪我「夢の中ではね」
・・・

<菌活新潟後の反省会にて>
スタッフ「雅功、BメロとDメロの高音、そろそろきつくないか」
雅功「ちょっときついですけどがんばります!」
スタッフ「一回彪我のパートにかえてみようか」
雅功「・・・はい、わかりました」

<2015年8月10日菌活岐阜>(ver.2.0)
彪我「・・・してる 時間はないよ」(あ、かわったのわすれてた(;・∀・))

・・・

彪我「大好きな君はこのドアの向こう」
彪我「夢の中ではね」
・・・

なんてね。

ところが、ところがですよ。

星男祭2015(2015年9月27日)を見てください。

「もじもじしている時間はないよ」は、なんとまた雅功くんパートにもどっているではないですか!確かに2015年8月14日の菌活富山までは彪我くんパートに変わっていたはずです。その次に確認できる2015年11月14日大宮のストリートライブ(めざましテレビの映像)ではまた彪我くんパートになっていました。ですので、星男祭2015でだけ、一時的に雅功くんパートに戻った感じです。これをver2.1としておきます。

ですので、今度はこんなやりとりが予想されます。

<2015年8月14日菌活富山が終わり、中部きん篇終了後の反省会。もしくは星男祭前の打ち合わせ>
雅功「やっぱりもう一度前のパートで歌わせてください!僕できます!歌いたいんです!」
スタッフ「じゃあ、一番だけ雅功やるか。」
雅功「ありがとうございます!」

<2015年9月27日星男祭2015>(ver2.1)
雅功「もじもじしてる時間はないよ」

・・・

彪我「大好きな君はこのドアの向こう」
彪我「夢の中ではね」
・・・

<星男祭2015後の反省会>
スタッフ「雅功、よかったよ。結構ちゃんと声でてたよ。でも今後のことを考えると、やっぱり戻そうか。」
雅功「そうですね。仕方ないです。」

<2015年11月14日大宮ストリートライブ>(ver2.2)
彪我「もじもじしてる時間はないよ」

・・・

彪我「大好きな君はこのドアの向こう」
彪我「夢の中ではね」

・・・

なんてやりとりがあったりして。

さて、さて。ここでまた次の転機が訪れます。雅功くん復活彪我くん変声期です。

「いくじなし」ver.3 (2016/4/23菌唱[ver.3.0]〜2016/10/9おたまじゃくしの宴[ver.3.1])
 

あの彪我くんパートに変わった問題のBメロ「もじもじしている時間はないよ」です。2016年4月23日のワンマンライブ「菌唱」の映像を見てください。なんと!ここにきて、雅功くんパート復活です!

ユニゾンになってかえってきました。つまり彪我くんと雅功くんと、二人で「もじもじしている時間はないよ」を歌うように変わったのです。

これは雅功推しならずとも感動の一瞬です。雅功くん、みごと変声期を乗り越えたんだな。それがはっきりと形となって表れた一瞬でした。二番の「放課後の窓眺めて夕陽」も同じくそうなっています。

さらに彪我くんソロとなっていたDメロ「大好きな君はこのドアの向こう」「夢の中ではね」ですが、雅功くんの下ハモりが加わりました

一方の彪我くんです。僕は、前に考察したときには2015年10月〜12月フジテレビ月9ドラマ「5→9 〜私に恋したお坊さん〜」に出ていたころから変声期がはじまったとみていましたが(「さくらしめじ」の楽曲における音域の変遷についての研究)、みなさんもご存知の通り、それ以降徐々に声が低くなり、最高音の「言えず〜」「出して〜」「話そう〜」がだいぶ出にくくなってきていました。

ところがかたくなにキーを下げることなく、おなじC#メジャーキーで続けられていたことから、彪我くんの喉を心配されていた方も多かったと思います

結局現在にいたるまでそこは変わりませんでしたが、「菌唱」ではやっと高音を減らす変化が。「もじもじしてる時間はないよ」の後の「急がなきゃ」の高いハモりがなくなり、雅功くんとユニゾンとなりました(上表)。

また、ラストサビの一つ前、「なぜか「君が好き」が「お早う。」「また明日ね。」」の「また〜明日ね〜」の高いハモりがなくなり、雅功くんとユニゾンになりました(上表)。

このように見てみますと、高音を減らし、変声期を乗り越えるための工夫がなされてきたことがわかりますね。以上がver3.0です。


さらに最近の「おたまじゃくしの宴」では「そうさ夢の中じゃ勇気」「今度こそ重ね合わせ」のところに、彪我くんを支えるように雅功くんの下ハモりが加わりました。これをver.3.1とします。

以上、「いくじなし」の変遷を追ってきました。

このように「いくじなし」一曲を追うだけでも、この中学生生活3年間の中で、いかに二人が成長してきたかがわかりますね。でも、ただ順調に成長してきたわけではありませんよね。ときには壁にぶつかり、悩み、苦しんできたことでしょう。しかしそこから逃げず、ごまかさず、真剣に向き合ってきたからこそ、それを乗り越えて今これだけの人を魅了するさくらしめじがある、そういうことではないでしょうか。

これからさくらしめじは高校生になりますが、ますます進化を遂げそうです。今から楽しみですね。

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