さくらしめじ「こんこんずし」のひみつ

2ndワンマンライブ「菌唱」の動画がとうとうスターダストチャンネルにて公開されました!

▶本編(有料), 菌唱大陸(ライブドキュメンタリー)(無料)

http://stardust-ch.jp/feature/p/kinshow

▶ティザー(無料)さくらしめじ 菌唱-KINSHOW- ライブティザー

わーい!これでやっとライブでしか聴けなかった、あんな歌やこんな歌が聴ける!!うれしい!

僕はまだ1/4しかみていません。おいしいケーキはちびちび食べるタイプです(笑)

なかなか聴けなかった曲の中に『こんこんずし』があります。この曲がなんと、今度8月17日に発売される4thシングルにはいるということもあり、今回取り上げてみたいと思います。

『こんこんずし』の秘密

この曲、あまり注目されてこなかったですよね。前にさくらしめじの楽曲別歌唱率分析というのをやりましたが、最下位がこの曲でした。1stワンマン、2ndワンマン以外では歌われていませんからね。ところが、なんと今回4thシングルにはいりました。前回、予想が当たった、といって喜んでいていうのもなんですが、まさか入ると思っていませんでした。

僕は結構うれしいです。こういう感じの曲がさくらしめじの方向性としていいのではないか、と思っていましたので。さくらしめじらしさを発揮できる曲ではないかと思っています。

この曲はときどき童謡っぽい、「みんなのうた」っぽい、という話しをききます。どこかノスタルジックな雰囲気というか。公式さんも自ら、

まるで絵本みたいな物語のある曲なので、ぜひ幼稚園とかでみんなで歌っていただきたいです。

とおっしゃっています。

実はそれには秘密があるのです。菌唱レポート(3)で少し予告していましたが、その答えがわかった方はおられましたでしょうか。

そりゃあ、歌詞とか曲調とか、そんな雰囲気になるように作曲されているんでしょう、といわれるかもしれません。まあ、それはそうなのですが、そんな雰囲気が出る背景には一つの原理がある、ということなのです。

いきなり答えをいえば、それは、「日本の伝統的な音階(に近いもの)をつかっているから」なのです。

では少し、日本の音楽の歴史をひもといてみましょう。

日本音楽の歴史と日本の音階

中国や朝鮮半島など大陸から伝えられた音楽と、日本古来の音楽が融合して成立した「雅楽(ががく)」や、仏教と共に大陸から伝えられたといわれる「声明(しょうみょう)」。これらがさまざまな日本音楽の基礎となります。そして、そこから、「今様」「平曲」「能」「謡曲」「義太夫節」「箏曲」「地歌」などのさまざまな日本の音楽文化が育まれました。

これらでつかわれる音階に「呂旋法」というものがあります。その基本となっているのが、「宮、商、角、徴、羽」という五つの音です。西洋音楽に当てはめれば「宮(ド)、商(レ)、角(ミ)、徴(ソ)、羽(ラ)」に当てはまります。西洋音楽の「ドレミファソラシド」からみれば4番目の「ファ」と7番目の「シ」がないので、後に「ヨナ抜き音階」などと言われます。(西洋音楽から見れば「足りない」ので「抜き」と言われますが、もともとないのです)

この開始音を変えて、「ラドレミソ」とすると「わらべ歌」や「民謡」に多い音階となるので「民謡音階」といいます。

「ソラドレミ」にすると「雅楽」や「声明」、そして『君が代』などで使われる「律旋法」になります。さきほどの「呂旋法」と合わせて「呂律がまわらない」の語源となっているわけですね。

半音を含む五音を使った「ミファラシド」という「都節音階」もうまれ、これは、短音階の「ラシドレミファソラ」の「レ」と「ソ」がない「ヨナ抜き短音階」として「演歌」で盛んに使われます。

このようにこの「ドレミソラ」という音階は、さまざまな日本音楽の基本となっています。

これらの音階をすべて「ド」を開始音にして示したものをYoutubeで見つけましたので参考にリンクを貼っておきます。

文部省唱歌とヨナ抜き音階

さて、明治時代以降、この音階を西洋音楽に当てはめた「ヨナ抜き音階」を使って「文部省唱歌」が作られることとなります。たとえば『かたつむり』とか『桃太郎』とか『朧月夜』とか。もうすぐ七夕ですが「ささのはさらさら〜」の『たなばたさま』もそうですね。

ですから、「ヨナ抜き音階」をつかって曲を作るとどこか「日本っぽい」と感じるわけですね。最近の楽曲にもその効果を狙ってか、この音階を使ってしきりに作られています。たとえば、きゃりーぱみゅぱみゅさんの『にんじゃりばんばん』とか、AKB48さんの『恋するフォーチュンクッキー』とかですね。

ただし余談ですけど、「日本の伝統的音楽」といっても中国大陸から伝わっているわけで、「日本固有」などというものは本来ないのです。例えばさくらしめじにかかせない「ギター」は、さかのぼればインドの「シタール」や中東の「ウード」などに原形があると言われますが、日本の「琵琶」も同じところから派生していると言われます。つまり「歴史の流れ」の中にあるのです。ですから「固有」などというものにこだわってしまっては本質が見えなくなります。一方で、日本で独自の音楽文化が育まれた歴史があったことも事実です。したがって、われわれに「日本っぽさ」として感じさせる「歴史の流れ」があるのであって「日本固有」なる固定したものがあると考えない方がよいとおもいます。

『海』と『こんこんずし』とヨナ抜き音階

さて、みなさん起きてますかー?(笑)やっと『こんこんずし』です。

でもその前に、その説明のため、「唱歌」の例を出しておきます。

「さくらしめじ」ゆかりの唱歌といえば、なんといっても菌活動画「石川篇(1)」で彪我くんが口ずさんだ『海』ですね(「静岡篇(1)」では「海」を「富士」にかえて二人でうたっています)。これは1941年(昭和16年)3月に発行された『ウタノホン(上)』にて発表された文部省唱歌です。これも「ヨナ抜き長音階」をつかっています。

説明のために動画をどうぞ。(作詞:林柳波、作曲:井上武士、編曲:あかんぼ)

このようになっております。楽譜はこうです(コードは適当につけてみました)。

後の説明のために『こんこんずし』と同じヘ長調(Fメジャー)にしました。普通の長音階(メジャースケール)は「ファソラシbドレミファ」となります。4番目と7番目の音は「シb」と「ミ」です。楽譜を見ていただくと、この「シb」と「ミ」の音が出てこないですね。

さて、前置きがめっちゃ長くなりました。いよいよ『こんこんずし』です。楽譜を見ると一目瞭然です(大人の事情で一部ぼかしがはいっています)。


この曲はヘ長調(Fメジャー)ですから、普通の長音階(メジャースケール)は先ほど書きました「ファソラシbドレミファ」です。4番目と7番目の音は「シb」と「ミ」です。楽譜では緑色のラインにしておきました。なんと、この「シb」と「ミ」の音が一度も出てこないと言うことがわかりますね!したがって「ヨナ抜き長音階」ということになるわけです。

ちなみに実は、さくらしめじが菌活奈良と菌唱でカバーしたJITTERIN’JINNさんの『夏祭り』もそうなのです。だから前の記事で「共通点がある」と書いたんですね。初めは『またたび』もそうかと思いましたが、結構ヨナの音が出てくるので、違うということにしました。『まよなかぴくにっく』も比較的ヨナ抜きっぽいかと思うのですが、ときどきでてくるので違うということにします。ひょっとしたら作曲者は意識しているのかもしれません。

『こんこんずし』がどこか童謡のような、ノスタルジックな感じがする裏には、実はこんな秘密が隠されていたのでした。

いつだったか、日本のポップスの歴史にさくらしめじを位置づけましたが、今回は音楽の歴史にさくらしめじを位置づけてみました。

こんな童謡のような雰囲気の曲がさくらしめじには合うんじゃないかなあ、などと僕は思っております。

さて、次回は・・・ 「あの企画」はまだです。じめじめ育てておりますよー。次回はたぶん、「ある便利なまとめ」です。

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